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島村楽器テクニカルアカデミー 公式ブログ

音楽技術専門の学校『島村楽器テクニカルアカデミー』の公式ブログ!音楽の職業・仕事を探す人は必見!

YAMAHA銀座店勤務  管楽器リペア科卒業生 山本久美さんインタビュー

管楽器リペア科 卒業生

2010年度に管楽器リペア科を卒業した山本久美さん。
現在はYAMAHA銀座店で技術スタッフとして勤務しています。
お仕事について、今後の目標、在校生やリペアの道を目指している方にメッセージなど様々なお話を伺ってきました。

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■現在の業務

Q:現在の業務内容を教えて下さい。
木管楽器の全タンポ交換の下処理として、楽器の分解、管体クリーニング、磨き、フェルトやコルク等の消耗品の交換を行なっています。
1日の作業量としては2~3本程度、磨きや音孔修正も必要になってくると1~2本程度です。フルートとクラリネットが多いですが木管楽器全般を担当しています。


Q:仕事をしていてやりがいを感じるときはどんなときですか?
自分でお客様対応から楽器の点検・調整を行なったときにその後の調整の申し込みもしていただけるなど、次に繋げられるととてもやりがいを感じます。
以前クラリネットのキイコルクの交換のために来店されたお客様がいらっしゃいました。そのときは当日中に返してほしいということでしたので、コルクの交換とバランス調整のみを行なったのですが、楽器の状態もあまり良くなかったので後日お預かりをして調整を行なう事をお勧めしました。後日同じお客様から調整のお申し込みをいただけたので初期対応が良かったと思えて嬉しく感じました。
他のスタッフもリペアチームのファンを増やしていこうという気持ちで取り組んでいて、次に繋がるご提案を心掛けています。


Q:大変だと感じるとき/その解決方法は?
銀座という土地柄、商品知識が豊富な方も多く来店されます。通常は学校で学んだことを軸に対応していますが、ときには自分の知識不足で対応出来ないこともあります。どんなお客様の対応も出来るように業務時間外に自分で知識を勉強する時間を作るようにしています。カタログやインターネットで調べたりもしますが、上司に質問するなどして、そこからも知識を吸収しようと心掛けています。


Q:在学中に現在の職場のインターンシップに参加しましたが、そこから得られたものは?
インターン中は主にフルートの磨きやコルクの交換・成形、タンポの調整を行いましたが、そのチェックの厳しさから技術スタッフのプロとしての意識の高さを実感しました。普段学校での作業のレベルとお客様に提供する際のレベルの違いを体感出来たことは現在の業務にも活かされています。学校で学んだ調整と違う調整方法を教えていただけたのでとても勉強になりました。


Q:ヤマハ銀座店で働く上で心掛けていることは?
立ち振る舞いです。入社した頃はお店の雰囲気に圧倒されていましたが、挨拶も快活的に言うのではなく落ち着いた印象を与えるように意識するなどお店の雰囲気に合わせて話すように心掛けて変えていきました。
リペアの接客はお客様にご納得いただくことがとても大切だと思っています。お預かりするものは決して安いものではないので、これから修理する内容をお客様にしっかり説明して、ご納得いただけるよう心掛けています。修理代金についてもなぜこれだけ代金が掛るのかということも作業ごとに丁寧にお話するようにしています。
お客様も『銀座店に持っていけば』と思っていらっしゃる方も多く、私たちの振る舞いがヤマハ全体のイメージにも影響するんだという責任感も感じます。
何事も妥協せず丁寧に対応するようにしています。


Q:今後の目標を教えて下さい。
お客様に顔と名前を覚えていただき、指名で調整を依頼されるような信頼される技術者を目指しています。その第一歩として『綺麗な仕上げは綺麗な下処理から』ということを心掛けて取り組んでいます。


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■代官山音楽院について

Q:代官山音楽院を選んだ理由を教えて下さい。
見学に来たときの雰囲気に居心地の良さを感じたことが代官山音楽院に決めた1番の理由です。


Q:学んでおいて良かった事/もっと勉強しておくべきだったと感じた事は?
在学中に得意だったものはサックスとフルート、苦手だったのはクラリネットでした。クラリネットはわからないところが多かったので、『このまま卒業してはいけない』と感じて放課後に練習をしたり、自分で調整方法をまとめ直すなど、とことん勉強しました。そのおかげで今はクラリネットが1番得意です。どんな楽器の調整でも、頭で理解しただけでなく身体が覚えるまで徹底的に回数をこなしておく必要があると思います。


Q:在校生・入学を検討している方にメッセージ
思い描いていたよりもっと厳しい世界だということは感じましたが、学生時代に出来るだけ『失敗する経験』をしておいた方が良いと思います。
また、工具など学生時代に時間があるうちに用意しておくと後々便利です。先生に聞いたり、様々な楽器店の工房へ見学に行って現役技術者がどういう仕事をしているのかを見ておくことも大切だと思います。



■上司の岐部様からもコメントをいただきました。

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Q:山本さんの取り組み姿勢について。
まじめに頑張っています。要領もいいので自分で効率化も考えながら取り組んでいます。自分で考えて行動できるという印象です。


Q:在学中インターンシップに参加した際の印象は?
キャピキャピしてましたね(笑)。
まだ作業においての個性を出すまでには至っていませんが、今後出来る仕事が増えたときに彼女のカラーが出てくるのではないかと思っています。今はチームの中で段階的な育成を目標に取り組んでいます。以前はある程度仕事ができるようになればどんどん次の作業をしてもらっていましたが、ある程度まで上達するとそれ以上スキルアップ出来なくなっていってしまうことが多いんです。
1人で作業が完結できるようになると、自分の出来る範囲でお客様に話をしてしまいます。ですから下準備・下処理など基礎をしっかり身に付け、技術の上乗せができるような土台を作っていってもらいたいと思っています。


Q:今後山本さんにどうなっていってもらいたいですか?
私たちは日頃から日本一の技術集団になることを目指して取り組んでいます。山本さんには今できる磨きやコルク交換・トーンホール修正など作業の一つ一つの仕上がりが日本一だと自分で言えるレベルを常に目指してもらいたいと思っています。そこにさらに様々な技術が上乗せできればお客様に支持されるような技術者になると思います。


Q:在校生・現在リペアを勉強している学生に向けて
自分が将来やりたいことを明確にし、そのプロセスを考え、自分の中でもしっかりシミュレーションを行った上で行動に移せる人は結果を出すのが早いと感じます。ただ言われた事を行動に移し結果を出そうとしても、明確な道筋がないと自分自身でも何をしたいのか分からなくなってきてしまいます。
はっきり自分の目標(信念)を掲げてそれを曲げずに努力していった人が気付いたら成功しているんだと思います。
ただし盲目に頑張っても結果に繋がらないので、行動を起こす前に求めるビジョンとプロセスを自分で明確にし、それに対する計画を立てた上で行動するということがリペアに限らずどんな仕事をするにしても大切です。
会社(組織)の方向性と自分のやりたいことが同じではないこともありますが、自分がやりたいことを実現するためには、自分や環境を変化させながら状況改善する努力を継続する事が不可欠です。その上で求められる結果を出しながらも自分の信念がぶれないことが成功するためにとても重要だと思います。
仕事に限らず生き方に対しても、そういう考え方が出来る人は強いと思います。


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