島村楽器テクニカルアカデミー 公式ブログ

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本科1年生インタビュー

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本科1年生はペースはそれぞれですが、1年間で白木の状態での楽器完成を目指します。
年が開ける前に先んじて完成させた2人、奈良さん(写真右)と大月さん(写真左)にインタビューをし、今日まで取り組んできた感想を聞いてみました。

1年間バイオリン製作に取り組んで

-ようやくセットアップまで終わり、楽器が白木の状態で完成しました。4月から授業を開始して今日まで、道具の仕立てや演奏授業などもありましたが、ほぼバイオリン製作一筋の毎日だったと思います。作品の完成に対しての感慨とか、入学前と現在の違いとか、もしくは今日までのドラマなど、所感を聞かせてください。

奈良
ドラマはないかな(笑)
学校に入る前に今使っている様な工具類は使ったことはなかったですね。
製作の所感・・一部、新作楽器なのに修理をしなくてはいけない所があったこととか。

-失敗した箇所が気になってるということでしょうか。

失敗というか、そもそも、どこまでどうやったら正解なのかが、まだ、わかりません。
なので、今は、眼の前の作業に取り組んで何とかこういう形になりました、という感じですね。

-大月さんはいかがでしょうか。

大月
まだ、ニス塗りが残ってはいますが、ひとまず楽器になってほっとしています。
自分ではあまりバイオリンを弾かないので、誰かに弾いてもらって音が出ると嬉しいと感じますね。

奈良
それはある。私も、バイオリンはあまり弾けないので。

-大月さんには以前、元々、手を動かすのが好きだったということを聞きました。プロを目指すべく楽器製作に取り組んでみて、初めて意識することとかはありましたか。

大月
やはり、趣味でやってきた工作と比べると違いますね。寸法とか細かく気にしながら進めていくこととか。道具も新しく触るものが多かったです。

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もう、この先にするべきことを見つけているためか、2人とも楽器が完成しても意外と冷静な様子。しかし、やはり完成は嬉しいようです。
奈良さん、大月さん共にバイオリンの演奏は授業で習っていますが、普段の演奏ではそれぞれチェロやコントラバスを弾いているため、試奏はバイオリン演奏が得意な学友の力を借りているようですね。

授業の所感

-先生には特にどういったことを教わりましたか。また、何が難しいと感じましたか。

大月
基本的な道具の使い方であったり、寸法に対する感覚など、きちっとした部分は教わって理解はできるけども、まだ手が追いつかず難しいです。
後は寸法以外の部分、例えばスクロールだったりアーチだったり、表情とかそういう部分とかは言葉で教わっても理解しきれない難しさがあります。
やはり、もっともっと経験が必要だな、と思ってます。

奈良
先生によるスタイルや、やり方が違うのに戸惑うところはありました。どうしたら良いんだ!と。
ただ、一度完成させて、それからまた聞き直してみると面白いと思います。

-やり方が違うというのは手順や寸法とかのことですか。

奈良
そうですね。寸法とかが一番。厚いものを削る分には良いのですけど、後から幅が足りないと言われたときとか。

思わぬ授業について指摘を受けてしまいました。よいと考える基準は講師それぞれで違うため、時には意見がぶつかってしまうこともあります。少しでも円滑に授業が進められるよう講師間でコミュニケーションをもっと密にしていかなくてはいけないと反省しています。
1つのやり方、1つの基準のみを教えていく講義にすれば、学生にとっては分かりやすく伝えられ、講師も授業がやりやすくなりますが、あえてそうしていないのは理由があります。
一番の理由は学科設立当初から各講師間で、お互いのやり方や基準を認め、そこから、よりよいものを作っていこうという、という考えが基にあるためです。また、学生の皆さんに、すべての基準が業界全体で当たり前に決まっているわけではないという現実を理解していただきたい目的もあります。したがって、教える内容は常に試行錯誤であり、よりよいものを求め、年々、変化していっています。

授業外での取り組み

-授業以外の時間帯はどのように活用していますか。

大月
大体学校に残れる時には、授業の延長の作業をしています。

奈良
作業作業です。

-いつも、放課後に作業する様子を見ていると、2人がやっていることは若干違うように見えるけれども。

奈良
違う。大月くんは道具作りとか。

大月
楽器とは別のジャンルの工作もしてますね。

-どういったものを作りましたか。

大月
これとか(目の前のケースをさして)、表板・裏板用のカウンターフォーム、等高線引き、毛替え用の治具、ティーラファッシェ(横板を曲げる際に用いるもの)、弓鋸、最近だと指板のカウンターフォームとか、あとは・・結構あると思います。

-ケース製作は過去に前例がないですね。よく(道具を)作っている所見るけれども、もしかして、学科内で一番、道具を作ってるのでは。

大月
そうなのかな?(指で数えて)そうかもしれない。

奈良
道具屋で開業したら(笑)
買うよ?

-大月さんと比べると奈良さんは製作をしているときが多いという印象を受けますが。

奈良
そうですね。ただ、道具も一応、必要最低限なものだけ作ってます。

大月
いや、奈良さんも(道具は)結構作ってますよ。

奈良
そうかな?
等高線引き、指板のカウンターフォーム、カウンターフォームと、カウンタフォーム2個目を作っていて、後はビオラ用のカウンターフォーム3つ目を計画してます。結構ありますね。


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何故か話が脱線して、道具製作の話で白熱。作った治具などを持ってきて見せてくれましたが、製作した楽器に負けず、どれも中々の意欲作です。

2年次に向けて

-もうすぐ2年生です。製作は塗装、それと楽器の修理や弓のメンテナンスが始まります。どういう心構えで臨みたいですか。

大月
僕は元々製作志向で入ったので、今後も放課後含めできるだけ製作する時間を取って行きたいですね。もちろん、修理は重要なので、授業で教わる修理の勉強は大事にしたいですが。

-製作を続けていきたいという意志はぶれてないですか。

大月
もう、製作がしたいです。

奈良
私も製作は続けたいですが、就職をすることを目指しているので、まずは修理の勉強。
製作でも修理は必要になるし、きちんと身につけておきたいなと考えてます。
もちろん、製作はやりたいので、次にビオラも作る予定も立てています。

ビオラ製作で自習含めて3台目に入るのかな。もう作業を初めていますか。

奈良
まだです。モデルを決めて、材料だけ揃えました。

-就職活動・修理・製作と忙しくなりそうですね。

奈良
果たして詰め込めるかな。

-是非、目標を達成してください。

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楽器を白木で完成させたからといって勢いを失速させることはなく、2人共に気合は十分。先の目標に向かっても準備も着々と進めている様で、これから取り組むことを熱く語ってくれました。
これからの活躍を期待しています。