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ギターエンジニア特別講義!Vol.3「植田 秀男氏」

皆さん、こんにちは!

今回は、大好評を頂いております「ギターエンジニア特別講義」第三弾の模様をお届けします。

毎回様々な現場の第一線で活躍している方をお招きし、あんなことやこんなことをお話いただいていますが、今回はヤマハ株式会社にてFGの開発・製造に当初より携わり、アコースティックギターの普及を牽引したギター作りのパイオニア植田秀男氏の登場です!!

今回の講師
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<プロフィール>
1962年ヤマハ入社。機械設計部門を担当
1965年ギター研究、設計を担当。ヤマハ初期のギター開発に携わる。
1978年~1982年頃に台湾の高雄山葉へ出向。ギター材料調達等を担当。
帰国後、弦打楽器生産課長としてギター生産に力を注ぐ。
その後生産技術IE、防音部門を経てヤマハを退職。
現在は長年の現場経験を生かし、代官山音楽院でアドバイザーを務めるほか後進の指導・育成にあたっている。


それでは早速講義の様子を見ていきましょう。

ギター作りのパイオニアが語るFG誕生秘話

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植田先生がどのようにしてギターを開発するに至ったのか。お話はその経緯からスタートしました。
入社当時は機械設計を担当されていたそうですが、「音の出るものを作りたい」と自己申告所に書いたタイミングと当時ヤマハがアメリカに輸出していたダイナミックギターへのクレームのタイミングが一致。ここから植田伝説が始まります。

驚いたのは植田先生がもともとはギターに興味が無かったという事。これには学生達もびっくりした様子でした。

クレームへの対応が一件落着しそうになった頃、今度は新たにアメリカからの要望でフォークギターの開発を命じられることに。これがFGへと繋がっていくわけですね。

当時ギターの生産は全て外注だったヤマハにはギター製作のノウハウがほとんど無かったそうで試作品を作りながら研究に明け暮れる日々。32本の試作品を製作しながら、木材や形状、塗装など何が音に影響するのかを少しずつ理解していったそうです。中には三角形のボディーのギターもあったと当時を笑顔で振り返る植田先生。決して楽ではなかったはずですが、その笑顔からいかに充実した日々であったのかが伝わってきました。

ギター職人を目指す学生たちにはゾクゾクするようなたまらない話ですね。

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FGの開発秘話で印象に残ったのがヤマハの耐久テストのお話。温度は-20℃から50℃、湿度は35%から95%の部屋に入れて日々状態チェックが行なわれていたとのことでした。

この過酷なテストを乗り越えたからこそ、50年近く経った現在でもスタンダードとして多くの人々に愛され続けているのかもしれません。

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長年のキャリアの中では多くのアーティストとのお仕事もあったようで、世界的ビッグネームとのエピーソードには学生達も興奮気味でした。

次から次へと飛び出す植田伝説に聞き入るうち、あっという間に前半が終了しました。


「もっと自由な発想で」

後半は恒例となった学生によるプレゼンテーション。
3人の学生が製作中や完成したばかりの作品を演奏を交えながらこだわりを解説していきました。

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さすがは代官山音楽院のアドバイザー、褒めるだけでなく時には厳しい指導もありながら愛情たっぷりのアドバイスをいただきました。

プレゼンの間、植田先生が常に仰っていたフレーズが「もっと自由な発想で作ろう」です。
ギターに関してのノウハウがほとんど無かった時代にギターを開発していた植田先生からのこのお言葉は学生達に大きく響いたと思います。

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またの最後には学生達が授業に取り組むために必要な考え方や、「前日に次の日のスケージュールを立てて必要な工具も準備する」といった具体的な指導がありました。これからの長い人生において、学生として学ぶ今がいかに貴重であるかを改めて感じさせられました。
これを機に彼らが実際に日々の行動を変えてくれることを願います。


いかがでしたか?第三回となった今回もめったに聞くとの出来ない貴重なお話ばかりでした。ギターを全く知らなかった一人の社員がギターの歴史を変えていく、、、夢がありますね!!

次回は皆川ギター工房の皆川 隆行氏をお迎えして特別講義行う予定です!!レポートも随時アップしますので乞うご期待!!