島村楽器テクニカルアカデミー 公式ブログ

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次回は写真いっぱいにします!

バイオリンクラフト&リペア科の髙倉です。 過去のブログを読むにつけ、みんなよく書けるなあ…というのが正直な感想です。 大人になってからもそんなことを言っているので、自分で言うのも何ですが、学生の頃は推して知るべしということでしょう(笑)。 さて、一つ日頃考えていることを書きたいと思います。 バイオリンについてです。 バイオリン作りが、バイオリンについて語る。 芸もひねりもないと言われそうですが…。 余談はそこまでにして、 ・・・バイオリンという楽器は300年、400年、500年前からほとんど姿が変わりません。 そういう楽器を見ると、多くの人が、バイオリンには進歩がないのでは?と言います。 その通りかもしれません。 でも、そのことをちょっと視点を変えて考えてみたいのです。 実はこの点において、バイオリンはクラシックの楽器と思われていますが、本当のところはとてもロックな楽器ではないかと僕は思っています。 どういうことかと言いますと、進歩=良いことだと言われる現代社会の中で、頑固一徹に「進歩なんて興味ないよ」とうそぶいている(?)反骨精神あふれる変な楽器なのです。 そもそも進歩という概念は、むかしはヨーロッパにも見当たらなかったようです。バイオリンを生んだ文化にも、バイオリンそのものにも、したがって進歩という概念はそもそも内包されていなかったと思います。別の言い方をすれば、進歩という概念のほうが、バイオリンよりも若いとも言えるかもしれません。 バイオリンを作ると、その中には500年どころか、さらに昔の中世と呼ばれた時代からの知恵がそこここに継承されているのを見つけることができます。そして、その頃の文化というのは、基本的には進歩という縦軸文化ではなく、小さな地域の中で循環する文化ではなかったかと思うのです。 もちろん、バイオリンを生んだ時代の文化がすべてよかったとは言いません。奴隷制もありましたし、貧富の差は今の日本の格差社会がかわいく見えるほどの社会だったようです。 けれども、バイオリンを生んだ当時の文化はローカルな狭い社会の中にあって、その地域(地球)と大昔から共生してくることができた文化の名残でもあったと思うのです。ここ50年で、地球の環境を私たちが壊してしまう危機を抱えていることを思えば。 屁理屈化も知れませんが、バイオリン(そして、ビオラを、チェロ、コントラバス、そこにつらなるすべての弦楽器)を愛してしまった職人は、そういうわけで、今日も進歩という価値観から少し離れたところに立つ楽器が世の中に一つぐらいあり続けてもよいのではないかと思うのです。 …というわけで、と締めてよいのかわかりませんが、 バイオリンクラフト&リペア科では反骨精神と周りのみんなの笑顔を大事にする人を待っています! (笑)