島村楽器テクニカルアカデミー 公式ブログ

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モンドムジカ2012 研修旅行レポート 2

前回、ミラノでの見学の様子をお伝えしました。今回は初日の見学午後の部、クレモナでの様子をお伝えしていきたいと思います。
ミラノからバスに揺られて約1時間、ビルなどがすっかり見当たらなくなり、回りが田園地帯に固まれるようになってきたころにクレモナに到着しました。

ストラディバリ博物館

市の中心部近くでバスを降りてからはまず、ストラディバリ博物館を全員で見学します。
ここはストラディバリ等のクレモナに縁がある製作者の作品や使用された当時の道具類が展示されていることで知られています。

博物館に展示されている道具や楽器からは昔の弦楽器製作の様子が直に伝わってくるようでした。
当時が精度の高い測定器や、洗練された工具がなかった時代であることがよくわかります。現代ほど情報が手に入れやすい社会ではなかったにも関わらず、限られた環境の中で、バイオリンの形を完成させ、今尚、模範される対象とされているという事実には、驚嘆せずにはいられません。


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ストラディバリ博物館内展示風景

木物のストラディバリウスが数台展示されており、ガラス越しに見ることができるのもこの博物館の特徴です。特に学生は目に焼き付けた立体感のある楽器の形と色合いの感激は忘れずに留めておき、楽器製作に活かしてほしいと思います。

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楽器展示の様子

巨匠モラッシー氏のお店にて

予定より少し時聞があったため、移動先の途中にあるモラッシー氏の工房とお店に寄らせていただきました。
多数の優秀な弟子を輩出した製作家として、現代クレモナのバイオリン製作の功労者として必ず名前が上がる有名な一家ですが、工房の限に弦楽器技術者のための材料や道具を揃えたお店も開いています。
訪問したときには、ちょうどマエストロ、ジオ・バッタ・モラッシー氏が店頭にいらっしゃいました。
せっかくなのでと一緒に記念撮影をお願いしたところ二つ返事で引き受けてくださる辺り、器が大きい方です。
偶然の出来ことはいえ、こうした出会いがあるのがクレモナなのかもしれませんね。


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巨匠ジオ・バッタ・モラッシー氏を囲みお店の前で記念撮影

現場で活躍する卒業生達との夕食会

その後、夕方はバイオリンクラフト&リペア科の木科1期生卒業生3名と再会し夕食を一緒に取りました。
今回集まった1期生は既に各自の道を歩み始めていて、今回様々な理由でクレモナに集まることになりました。
卒業してもう何年も経っているため、後輩といえども初対面の人が多く、せっかくの機会でしたので夕食の席に同席してもらいました。
クレモナでの料理に舌鼓を打ちつつ話に花が咲きます。卒業生からは今までやってきたこと、現地の話などを話してもらい、一方で現役生は卒業生から、今学校でやっているこなどを聞かれていました。
1期生は学内に先輩がいない中で活動してきたということもあったからでしょうか、後輩達のしていることについて積極的に興味を持つ姿勢で話を聞いてくれていた様に見えました。


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卒業生達と再会、一緒に食事

ストラディバリ国際弦楽器製作コンクール表彰式&コンサート

この日の研修はこれでひとまず終了しました。ただし、この後の時間に3年に1度のストラディバリ国際コンクールの受賞式と受賞楽器によるコンサートがあったため、多くの人はそれを見るために会場のポンキエッリ劇場に向かいました。入口前からたくさんの人が集まっていて、さながらお祭りの様でした。
表彰式の最上席チケットはクレモナに住んでいてもなかなか入手できるものではないため、
今回の研修旅行は海外に行き慣れた人にとってもひと味違った手応えがあったのではないでしょうか。


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ポンキエッリ劇場内

表彰者の中には、当音楽院に毎年推薦文を寄せてくださっている菊田治氏がいらっしゃいました。
毎回コンクールに出品し続けるには出品手続き始めかなりの労カを必要としますが、その中で常に上位に残る成果を出し続けている背景には、並ならない努力と研鑽の積み重ねが常にあるはずです。
表彰式を見ていてコンクール出品への意欲に燃やす学生も出てきたのではないでしょうか。
残念ながら学生は出品できませんが、いつかはこの表彰式の記憶を胸に挑戦してもらいたいと思います。

式の最後にはバイオリンからコントラバスまで世界中の製作者の中からトップに選ばれた楽器が審査員により演奏されました。
こうした演奏を聴けるというのは中々得難い機会、夜遅くとはいえ会場の多くの人はむしろ目が冴えるような感覚で演奏を聴いていたのではないでしょうか。


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左:菊田治氏(左から2 人目)の表彰 右:優勝者作品による演奏

とは言うものの、皆さん(前回のレポートから続く)濃い内容の1日を終え、時差にもかかわらず夜はぐっすり眠られたのではないかなと思います。
これにて、クレモナ初日は終わります。

次回はイタリア2日目以降、いよいよモンドムジカの様子をお伝えしていきたいと思います。引き続きご期待下さい!